太陽光発電とは?仕組み・向いている家・屋根で確かめること・東京都の補助金
この記事の目次
太陽光発電とは(要点)
- 太陽光発電とは、屋根に載せたパネルで太陽の光から電気をつくり、家で使う設備です。
- つくった電気は、まず家で使い(自家消費)、余った分を蓄電池にためるか、電力会社に売ります(売電)。
- 効果が出やすいのは、南・東・西向きの屋根があり、影が少なく、昼に電気を使う家です。
- 発電量は季節と天気で変わります。東京都内で4kWの場合の推計では、冬の発電量は春の約6〜7割です。
- 東京都の補助金は、既存住宅なら3.75kW以下で1kWあたり15万円(上限45万円)です。契約の前に事前申込が必要です。
監修:株式会社ソルト 東京支社(日野市豊田)
株式会社ソルトは、東京都内で太陽光発電・蓄電池・V2Hの工事をしている工事専門会社です。初めて太陽光発電を検討する方に向けて、仕組みから導入までの流れを、工事をする立場から説明します。費用は屋根や容量で大きく変わるため、金額は載せていません。
太陽光発電とは:屋根で電気をつくる設備

太陽光発電は、次の3つの機器で動きます。
- 太陽光パネル:屋根に並べて、太陽の光を受けて電気をつくります。
- パワーコンディショナ(パワコン):パネルがつくった電気を、家のコンセントで使える電気に変えます。
- 分電盤:変えた電気を家の各部屋に送ります。足りない分は、これまでどおり電力会社から買います。
つくった電気の行き先は3つです。家で使う(自家消費)、蓄電池にためる、電力会社に売る(売電)です。今は、売る単価より買う単価の方が高いことが多いため、つくった電気をできるだけ家で使う考え方が中心になっています。
太陽光発電でできること

- 昼に使う電気を、電力会社から買う代わりに太陽光でまかなえます。在宅時間が長い家や、昼にエコキュートでお湯を沸かす家ほど、電気代が下がります。
- 停電のときは、パワコンを自立運転に切り替えると、日中は専用のコンセントから電気を使えます。蓄電池があれば、夜も使えます。
- 使い切れなかった電気は、電力会社に買い取ってもらえます。
発電量は季節と天気で変わる

東京都内で4kW・南向き・影が少ない屋根を想定した推計では、1か月の発電量は春で350〜450kWh、冬で250〜330kWhです。冬は日が短く、太陽の位置が低いため、春の約6〜7割になります。
曇りや雨の日も発電はしますが、量は大きく減ります。夜は発電しません。発電しない時間は、電力会社の電気か、蓄電池にためた電気を使います。季節ごとの目安については、「東京都の太陽光発電量を季節別に比較」をご覧ください。
太陽光発電が向いている家・向いていない家
| 向いている家 | 向いていない家(慎重に考えたい家) |
|---|---|
| 南・東・西向きの屋根がある家 | 北向きの屋根しかない家 |
| 一日を通して屋根に影がかかりにくい家 | 隣の建物や木で、屋根の大半が影になる家 |
| 昼に家にいることが多い、または昼に電気を使う家 | 昼はほとんど電気を使わず、蓄電池も入れない家 |
| 屋根の傷みが少なく、この先10年以上住む予定の家 | 近いうちに屋根の葺き替えや建て替えを予定している家 |
| 停電への備えや、将来の蓄電池・EVも考えている家 | 載せられる容量が非常に小さい家 |
向いていない条件があっても、設置できないとは限りません。影の少ない屋根面だけに設置する、パネルの種類を変えるなどで対応できることがあります。東京都に多い狭小住宅や三階建ての例は「設置できない」と言われた住宅の原因と解決策で紹介しています。
屋根で確かめること
- 向きと角度:南向きが最も発電しやすく、東向き・西向きはその次です。屋根の形ごとの違いは屋根形状別の太陽光発電量にまとめています。
- 面積:載せられるパネルの枚数で、発電できる容量(kW)が決まります。
- 影:隣の家、電柱、木の影が、どの季節・時間にかかるかを見ます。冬は影が長くなります。
- 屋根材・形状:スレート、瓦、金属、陸屋根で、固定の方法と工事の内容が変わります。
- 傷み:ひび割れや雨漏りがあれば、先に補修します。屋根の塗装や葺き替えを予定しているなら、太陽光の設置とどちらを先にするかを決めます。
瓦・スレート・金属の屋根ごとの取り付け方と、当社の施工例は屋根材ごとの太陽光の取り付け方にまとめています。
費用が変わる主な要素
太陽光発電の費用は、家ごとに大きく違います。見積を比べるときは、次の項目がそろっているかを見てください。
| 項目 | 費用が変わる理由 |
|---|---|
| 容量(kW)とパネルの枚数 | 枚数が多いほど、機器と工事の量が増えます |
| パネルとパワコンのメーカー・型番 | 発電の効率と保証の内容が機種で違います |
| 屋根材と固定の方法 | 瓦や陸屋根は、専用の金具や架台が必要です |
| 足場 | 三階建てや道が狭い家では、足場の組み方が変わります |
| 配線と分電盤 | パワコンや分電盤までの距離、分電盤の交換の有無で変わります |
| 蓄電池を一緒に入れるか | 同時に入れると、パワコンをまとめられることがあります |
実際の金額は、現地調査で屋根と配線を見てからお出しします。
当社の施工例に見る、東京都の住宅の容量

東京都内の当社の施工例では、設置した容量は1.45kWから11.25kWまで幅があります。屋根の広さと形によって、設置できる量が大きく異なるためです。
| 区市 | 容量 | 屋根・設備 |
|---|---|---|
| 江東区 | 1.45kW | パネル5枚。蓄電池15kWh(全負荷)と組み合わせ |
| 世田谷区 | 4.06kW | スレート屋根。蓄電池14.9kWhと組み合わせ |
| 東久留米市 | 4.77kW | 2種類のパネルを屋根に合わせて配置 |
| 日野市 | 8.80kW | パネル20枚。蓄電池19.9kWhと組み合わせ |
| 東村山市 | 9.08kW | 和瓦屋根。瓦用の金具で固定 |
| 八王子市 | 11.25kW | パネル25枚。蓄電池19.9kWhと組み合わせ |
容量が小さくても、昼の電気を太陽光でまかない、夜は蓄電池の電気を使う組み合わせで、電力会社から買う電気を減らせます。屋根が小さいことだけを理由に、あきらめる必要はありません。
太陽光と一緒に考える設備

| 設備 | 太陽光と組み合わせると | 詳しい説明 |
|---|---|---|
| 蓄電池 | 昼に余った電気をため、夜や停電のときに使えます | 蓄電池の選び方 |
| エコキュート | 昼の太陽光の電気でお湯を沸かす設定にすると、自家消費が増えます | ― |
| V2H | EVの電池を家の電源として使えます。太陽光とEV(PHV)がそろうと、東京都のV2H補助は費用の全額・上限100万円になります | V2Hとは |
東京都の太陽光補助金

東京都(クール・ネット東京)の太陽光補助金は、既存住宅なら3.75kW以下で1kWあたり15万円(上限45万円)、3.75kWを超えると容量全体に1kWあたり12万円です。新築住宅は、3.6kW以下で1kWあたり12万円(上限36万円)です。
工事の契約は、事前申込の受付通知が届いた日以降にします。先に契約すると、原則として補助の対象になりません(2026年4月1日〜6月30日の契約には特例があります)。住んでいる区市の補助金と一緒に使える場合もあります。
相談から使い始めるまでの流れ
- 相談:電気の使い方と、停電への備えなど、入れたい理由をお聞きします。
- 現地調査:屋根の向き・面積・影・傷み、分電盤の位置を確認します。
- プランと見積:設置できる容量と機器、使える補助金をお伝えします。
- 補助金の事前申込:東京都に事前申込をして、受付通知が届くのを待ちます。
- 契約
- 工事:足場を組み、パネル・パワコン・配線を取り付けます。
- 電力会社との手続き:売電の契約と、電気をつなぐ手続きを行います。
- 使い始め・補助金の実績報告:写真や書類をそろえて、交付申請兼実績報告を出します。
- 使い始めてから:月1回程度の発電量の確認と、定期点検を続けます。くわしくは、「太陽光発電のメンテナンスと点検」をご覧ください。
初めての方がつまずきやすいこと
- 見積の合計額だけで比べる:機器の型番、工事の範囲、足場、補助金の申請を誰が行うかをそろえないと、正しく比べられません。
- 補助金の事前申込の前に契約する:東京都の補助金は、事前申込の受付通知が届く前に契約すると、原則として対象外です(2026年4月1日〜6月30日の契約には特例があります)。
- 蓄電池やV2Hを後から付ける前提を考えていない:後で蓄電池を付けるなら、パワコンの種類や置き場所を最初から考えておくと、工事がやり直しになりにくくなります。蓄電池の考え方については「蓄電池の選び方」、EVとの組み合わせについては「V2Hとは」をご覧ください。
用語集
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| kW(キロワット) | 発電できる力の大きさ。太陽光の容量を表す |
| kWh(キロワットアワー) | 電気の量。発電量や使用量を表す |
| パワーコンディショナ(パワコン) | パネルの電気を、家で使える電気に変える機器 |
| 自家消費 | つくった電気を、自分の家で使うこと |
| 売電 | 使い切れなかった電気を、電力会社に売ること |
| FIT(固定価格買取制度) | 売電の単価を、決まった期間固定する制度 |
| 卒FIT | FITの買取期間が終わること。終わった後は単価が下がることが多い |
| 自立運転 | 停電のとき、パワコンを切り替えて太陽光の電気を使う機能 |
| 事前申込 | 東京都の補助金で、契約の前に出す申込 |
よくある質問
太陽光発電とは何ですか?
太陽光発電とは、屋根に載せたパネルで太陽の光から電気をつくり、家で使う設備です。つくった電気はまず家で使い、余った分は蓄電池にためるか、電力会社に売ります。
曇りや雨の日、夜も電気は使えますか?
使えます。曇りや雨の日は発電量が大きく減り、夜は発電しませんが、足りない分は電力会社から電気を買って使います。蓄電池があれば、昼にためた電気を夜に使えます。
太陽光発電の機器は長く使えますか?
パネルは長く使える設備です。パワコンはパネルより寿命が短く、使っている間に交換が必要になることが多い機器です。メーカーの保証の内容と年数を、機種ごとに確かめてください。
太陽光だけでも入れる意味はありますか?
あります。昼に使う電気を太陽光でまかなえるので、昼に電気を使う家ほど効果が出ます。夜の電気まで減らしたい場合や、停電の備えを強くしたい場合は、蓄電池を一緒に考えます。
東京都の補助金は使えますか?
対象の条件を満たせば使えます。既存住宅は3.75kW以下で1kWあたり15万円(上限45万円)、新築住宅は3.6kW以下で1kWあたり12万円(上限36万円)です。工事の契約は、事前申込の受付通知が届いた日以降にします。

自分の家に向いているか確認したい方へ
住所と、屋根の写真、電気の検針票があれば、載せられる容量の目安と、使える補助金をお伝えします。屋根の向きや影は、現地調査で確かめます。
更新履歴
- 2026年10月24日:文章の表現を見直し(補助金の金額・条件は変更なし)
- 2026年10月19日:屋根で確かめることに、屋根材ごとの取り付け方の記事へのリンクを追加
- 2026年10月12日:導入までの流れに、使い始めてからの点検を追加(関連記事へのリンク)
- 2026年9月26日:全面的に書き直し。価格の目安を削除し、屋根で確かめること・費用が変わる要素・導入までの流れを追加
- 2025年12月27日:公開



